絵:山本夏希/ 構成デザイン:田宮光/ 企画:松本淳子
青龍が抱く宝珠の中に見える屋久島で最高峰の宮之浦岳には「一本宝珠大権現」が祀られており、シャクナゲは岳参りの土産に山の神から賜ったもの…つまり山の神信仰と深くつながっています。
3.11の後、熊本を始めとして日本のあちらこちらで発生している大地震、そして現在も南海トラフ地震や首都直下型地震、更には喜界カルデラの大噴火も懸念されています。
芝居「如竹散人乱拍子」を書くため色々調べるうちに如竹さんが生きた時代も同じように、大地震や津波が頻発していたことを知りました。
被害の多寡は不明ですが屋久島にも津波が押し寄せたと資料から推測されます。
そんなある日のことでした。(ここから先は妖の話しになります)
日本列島を九州から関東まで縦断するように走る「中央構造線」がひとつの生き物のように感じられ、鹿島神宮の要石で抑え込まれていた「そのもの」が動いて体勢を変えようとしている、というビジョンが見えました。
そういう神様系の直感を得たときは、宮之浦の「益救神社」に宮司さんを訪ねます。
その日はたまたま宮司さんは不在でしたが、本殿にいらした同じく神職に就いている奥様にその話しをしたところ、「実はつい何日か前に同じようなビジョンを見た人が訪ねて来てね、それを鎮める神様の名前を書いた掛け軸を奉納して行きましたよ」と教えてくれました。
その後は、この「宝の島を抱く青龍」に表されているように、動いた「そのもの」は龍神であり、屋久島が宝珠であるとしか思えなくなってしまいました。
宝珠としての屋久島とは一体どのような役割を持っているのでしょうか?
屋久島はこういう妖(あやかし)話でも、結構すんなりと受け入れられる土地柄です。